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2014.06.08

ぷよぷよ連載小説・第五話

どうも、ぷよぷよ連載小説第五話です!

こんかいはぶっちゃけ「突撃☆悪魔さんちの巻」
的な回です。内容は多分真剣だと思います。多分。


第一話【夢の中での、再会】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-95.html

第二話【雨音と、羽音】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-109.html

第三話【異世界からの、来訪者】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-117.html

第4話【音が降る夜の、決意】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-126.html


それでは、追記よりお楽しみください!










【邪なる聖者との、約束】










「はぁ!?」

「なんですってっ?!」

シェゾさんとウィッチさんは、びっくりしたのか結構大きな声を出してしまったので、
ボクが「しーっ!しーっ!」と慌てて注意した。(まあ、シェゾさんはそこまででもなかったけどね)

「えっと…ここじゃあんまり話しにくいことだから、とりあえず、人目の付かない場所に行こう?」

とりあえず理由を詳しく説明しよう…そう思ったボクは、
そう二人にそっと提案したのであった。


そこでボクたちは、お城の5つある小さな中庭の一つ…真ん中に設置された
ボクが今まで見てきた中(とはいっても青の司祭と紫の司祭のしか見てないけど)
でも一番大きなお庭にやってきた。

ここはむしろ庭というより花畑で、いろんな種類のお花が色とりどりに咲き乱れている。
でもみんな形が整えられたりしてない…というか、自然のままに生えている。

それが月夜に照らされて、どこか神々しい雰囲気があって…
なんだか、魔導学校をちょっぴり思い出す。

「…それじゃあ、訳を詳しく教えてくれ」

シェゾさんの言葉で、ちょっとぼんやりしていたボクははっと我に返る。
そうだった、何やってるんだっ、ボクってば…

「うーんと…すごく説明が難しいんだけど…
さっきボクらは緑の司祭さんの歌声を聴いたよね?
とってもあの人は歌がうまいんだけど…なんていうか、ボクの中にある
ハーピーさんのイメージと違う気がするんだ。

ボクが思ってたハーピーさんはもっと…こう…音痴だった、ような…
って思って、その違和感の原因はなんだろう?って考えてもわからないし。
そこでボクは、いっちばん『アヤシイ』人に目を付けた―――それが悪魔。
あの人なら、もしかしたら…何か知ってるんじゃないかって。

確証はないよ、でも…あの人だって普段から謎に包まれてるわけだし、
会ってみたら何かわかるかも!…って思って…」

ボクが話し終えると、シェゾさんは眉をひそめて腕を組んだ。

「お前…あいつが危険な奴だということを承知の上で言っているんだな?」

ボクは、「うん」と小さくうなずいた。
ボクだってちょっとだけ怖い。会ったこともない相手―――それがましてや、悪者だし―――
そんな人と話をつけに行くのは、ちょっと怖気がする。

でも、ボクはここでやらなきゃいけないんだと思った。
『この世界の謎をつきとめます』――――そう、ラグナス王に誓った気持ちは変わらないんだから。

「………ふっ、」

急にシェゾさんが口元に笑みを浮かべたのでボクはびっくりした。
でも、それはすぐに喜びに変わる。

「いいだろう…そこまで言うのなら、な。お前も賛成だろう?ウィッチ」

「もっちろん、ですわ!私も悪魔がどういう方か、興味ありますし」

ウィッチさんが大きくうなずくのを見て、ボクは嬉しくなって
「ほんとっ!?」と二人の手をそれぞれぎゅっと握りしめた。

「…ありがとう、二人ともっ!」


それからの動きは順調に進んだ。

シェゾさんがまず、『転移魔法』をボクたちにかけてくれる。

シェゾさん曰く簡単にいえば瞬間移動…
魔法をかけられた人が頭の中でイメージした場所に行ける所らしい。

でもボクは実のところ(いや、当たり前かな?)悪魔のいる場所に行ったこともないので
どうしようかと悩んでいたら、ウィッチさんが空から悪魔のいる場所を探してくれるといってくれた。

もしそれが見つかったら、その場所から王城にいるボクたちを呼び出して
ここまで魔力で連れてきてくれる…らしい。

そもそもそれも空から悪魔の居場所が目視できたらの話なんだけど…。


そう心配しながら、ボクとシェゾさんを残して飛び立ったウィッチさんだけど、
それから10分ぐらいした後に突然ボクたちの頭に彼女の声が響いてきた。

『アルルさん…シェゾさん…聞こえますかしら?
パオーラの街に隣接した山に異様な魔力を発している家屋を発見しましたわ。
ここだという確証はありませんが…転送します?』

『ああ、頼む…おそらくそこだろうしな』

ウィッチさんの声にボクがまごついてるとシェゾさんも頭の中に響くような声で
話し始めた…もしかしてこの二人、頭の中で考えたことをしゃべってるの!?

『了解ですわっ!それじゃあ魔力転送、いってみよぉ!』

ボクが驚いたまま立ちつくしてると、シェゾさんがスッと腰を低くして言った。

「言っておくが、魔力転送は俺たちの体に負担をかける…直立のままだと転送先で
突如変わった地形に体が慣れず体のバランスを崩す。
せめてこうしていろ――――――」

キイィィィィィ…ン!

ボクはその時鳴り始めたものすごい耳鳴りに思わず両耳をふさいでしまった。
それでも耳鳴りは当然やまず、あたりを白い光が包む。

ボクはちょっと突然のことに戸惑いながら、とりあえずその場にしゃがんで
ぎゅっと目をつむった。すると――…



耳鳴りがやみ、光が消えた途端、ボクははっと目を見開いた。

目の前は…うっ、何これ、土臭い。
ということはボク、洞窟?か何かにいるのかな…

それとも転送に失敗して土の中に埋まっちゃったとか…!

「…おい、馬鹿かお前は。早く起きあがれ」

背後から聞こえたシェゾさんの声にボクはびっくりした。
というか、さっきから割と背中のあたりがすーすーしてる。

おいしょ、と言いながらゆっくりと半身を土から放して起きあがってみる。
すると、ボクの周りに見えるのは―――鬱蒼と茂った森。

というか、360度どこを見わたしても木、木、木!
いったい、ここはどこ…?するとウィッチさんが。

「まったく、あなたたちを転送できたと思ったら―――アルルさんったらしゃがんだまま
そのまま前のめりに倒れてしまったじゃありませんの!だ~めだこりゃ、ですわっ」

…あ、そっか。ボク、あの時思わずびっくりしてしゃがみこんじゃったんだ…それで、
転送された先のここでバランスを崩して倒れた…っていうわけ…。

「ほら、顔が土まみれだ。そこらへんの泉か何かを探して洗わないと…」

「いや、いいよ」

ボクは、心配してくれるシェゾさんの手を払って、手でパッパッと土を軽く落とす。
そして、ゆっくりと慎重に立ちあがった。

「そんなことより、早く悪魔のもとに行かなくちゃ!ボクらは、少しでも早く真実を明かさなきゃいけないんだから…」

ボクは、ワンピースのすそをぎゅっと掴んで焦る気持ちを落ち着かせる。
そんなんじゃやっぱり駄目だろうけど…それでも何もしないよりマシだと思って。

「…ああ、そうだな…よし!俺らも行くか。
ウィッチ、悪魔の住処の場所はどこだ?ここのあたりには見当たらないようだが…」

シェゾさんがきょろきょろとあたりを見回す。確かに―――さっきも言ったように
ボクたちの周りはあたり一面森だ。どこにも家屋なんて見当たらないんだけど…。

「…それがですね、どうやらあの家屋の周りには強力な魔法防壁が張ってあるみたいですの。
魔法防壁の中では、どんな魔法でも使うことができない。ですからあの家屋の前に
直接転送魔法をかけることはできなかったんですの」

ウィッチさんが少し申し訳なさそうに言うと、シェゾさんがウィッチさんの肩をポン、と叩いた。

「大丈夫だ、安心しろウィッチ…。ここからは魔力を頼りに家屋を探し当てるぞ」

そういえば、転送される前ウィッチさんが「異様な魔力を発する家屋」とか言ってたね。
んんん?でもボクは異様な魔力なんてあんまり感じないけど…。

「ええ…そうですわね、魔力の根源は…あちらのほうかしら?」

「ああ、どうやらそのようだな…ほら、行くぞアルル」

シェゾさんにいきなり腕を掴まれて引っ張られる。そのまま迷うこともなく進んでいく
ウィッチさんとシェゾさんに半ば引きずられるように、ボクは付いて行くのであった…。


「どうやら、ココみたいですわね」

何分か森の中を歩き回った先に、それは案外あっさりと見つかった。

ログハウス?って言うのかな。丸太を組み合わせてできたようなそこそこ大きなお家。
二階建てになってて、一階にも二階にもアーチ形の窓がついてる。
一階の窓からは温かいオレンジがかった光が薄紫のカーテンの隙間から漏れていた。

窓の桟にはピンク色のお花が飾られていて、三角屋根のてっぺんについた煙突からはもくもく煙が上がってて。
おまけに、ログハウスの前に小ぢんまりとあるお庭にもカラフルなお花がたくさん植えられている。

なんだか、どちらかって言うとのどかな村とかにありそうなお家で
あんまり悪魔のお家って感じがしないや…。

「ウィッチ…本当にここで合ってるのか?確かに異様な魔力が手に取るように分かるが…」

シェゾさんも同じ考えみたいだ。でも、ここでは確かにこう―――異様な魔力?って言うのが
ようやくボクにも伝わってくる。ウィッチさんが言うには、

「絶対にここで合ってる…と思いたいですわ。とにかく、行くっきゃないですわねっ!」

「それでいいのかよ…」

シェゾさんがぼそっとつぶやいた言葉にも構わず、ウィッチさんはお家の前の
小ぢんまりとした門をくぐりぬけた。あわててボクらもついていく。

そして、ボクらはお家のドアの前で立ち止まった。ドアには真鍮のプレートが付いていて、
『エコロ ルルー サタン』と綺麗に彫られていた。

きっとこの人たちが、悪魔とその使い魔なんだ…そう考えるとちょっぴり足がすくむ。
するとシェゾさんがトン、と僕の背中を押した。

「ほら、この世界の真実を突き止めるんだろう?ここからはお前がやれ」

「…うん」

そうだよね、ボクがここでしっかりしなきゃいけないんだ!そう思って、
ボクは恐怖を払いのけるように頭を横に振ってから、そっとドアをノックした―――

コン、コン、コン。

静かな夜の森に、ノック音が三回響く。ボクがそわそわと反応を待っていると、数秒後に
キィィ…と小さな音を立てて木のドアが開いた。

ボクと木のドアを隔てて立っていたのは、綺麗な青色の髪をピンク色のリボンで
ポニーテールにしている、ぼくより年上っぽい雰囲気のお姉さん。

「あら、あなたは…お客様かしら?どうしてここがわかったのかしら…」

何やらぶつくさ呟いているお姉さんを見ながら、ボクはそおっとお家の中を覗き込んでみる。
壁も床も全部木でできてて(あたりまえだけど)、上から吊るされてるランプの光に照らされて
どこかあったかい印象を持たせてくれた。

「おい、ルルー。そいつらを中に入れてやれ」

「わかりましたわ、サタン様がそういうなら…さ、どうぞ中にお入りなさい」

奥のほうから男の人の声がした後、お姉さんはそれに反応して
ボクらをお家の中に入れてくれた。

お家の中は暖かった。今日の晩は少し冷えていたので良かった…。ドアの向いの壁に煉瓦つくりの
暖炉があって、そこで火がぱちぱちと燃えていた。その音も暖かさと相まって心地よい。

入って右側の壁には、お花をたくさん入れた丸いバスケットと森を描いた
大きな絵画が飾られてて、左には台所がある。かまどと調理場がセットみたいになってて、
壁にはお鍋やお玉なんかの調理道具がいろいろ掛けられてる。

ドアから入ってすぐ左のほうに、階段があった。ここが二階につながってるみたいで、
上のほうは暗くてよく見えない。

うーん、やっぱりどこをどう見ても悪魔のお家っぽくはないような…。

「とりあえず、まぁ座りなさいな」

お姉さんの案内で、部屋の真ん中に置かれたテーブルの周りにある丸椅子にボクたちは腰掛けた。
そこには既に、緑色の紙に金色の角を生やした男の人が、悠々と紅茶の入ったティーカップを片手に座っていた―――

「ああーっ!!」

ボクは思わず大声を出した。そのおかげでシェゾさんとウィッチさんはびくりと肩をはね上げ、
ルルー、と呼ばれた女の人は「はっ!?」と飛びのいたし「サタン様」と呼ばれた人なんか
飲んでいた紅茶をぶちまけてしまいそうになる始末だった。

「な、なんですのアルルさんっ!」

ウィッチさんが怒鳴りつける。…あー、うん、ごめんね…。
…って、そんなこと言ってる場合じゃないよっ。

この人二人…ルルーさんとサタンさん…あの時の夢の中に出てきた人だっ!


それからちょっとして。

ようやく落ち着いたボクたちは、これまでの経緯をまるっと全部ルルーさんたちにお話しした。
サタンさんは、紅茶を飲む手を止めて考え込むしぐさをして言う。

「なるほど、貴様らの事情は大体理解した…ふむ」

「でもサタン様、ということはこの方たちはあの子に用があるんじゃありませんの?」

台所のほうで、紅茶のお代りを用意しているルルーさんが聞いてくると、
サタンさんは「そのようだな」と答えた。

…て言うか、サタンさんがてっきり悪魔なのかと思っちゃったよ。
頭から立派な角が生えてるし、(あ、これはリデルやドラコも同じか)切れ長の瞳には
深い紅色が宿ってるし。

とかボクが思ってると、サタンさんは不意に立ち上がって階段に向かい、
そこから呼び掛ける。

「おーい、エコロ―。お前に用があるというやつらが見えたが、降りてきてくれないか」

「うん、わかった。今降りるよー」

サタンさんが呼ぶと、二階のほうからどこか愁いを帯びた青年の声。
そして、木の階段を下りるギシ、ギシ、ときしむ音。

ぼくらが階段のほうを見つめてると、誰かが下りてきた。

水色の、癖っ気のある髪の毛を肩まで垂らした青年。髪と同じ色のケープの下には
白いワイシャツを着て、下は黒いふんわりした半ズボンみたいなのをを履いている。

この人が、悪魔…?

悪魔っていう名前にはやっぱり似合わない、中性的で穏やかな顔立ち。
悪魔はそのまま、ぺこりとお辞儀をして丸椅子(僕とちょうど向かい側の席)に腰掛けた。

「上から君たちの会話は聞いてたよ…さて、まずは自己紹介しよう」

ちょっとそこでルルーさんが紅茶と小さなお茶菓子を持ってきてくれたので、
ボクたちは温かい紅茶をすすりったりお茶菓子をほおばったりしながら頷いた。

「僕の名前はエコロ。そうだね…皆からは悪魔って呼ばれてる」

悪魔…基エコロさんは髪を指で時折いじりながら言う。
すると次は、分厚い小説を読んでいたサタンさんがふと顔を上げる。

「私の名はサタンという…ふとしたきっかけでここに住まわせてもらっている身だ」

ふとしたきっかけ…ぼくには、それがなんとなく予想できる気がした。
この人たちは、ボクの夢に出てきた…そして同じくその夢に出てきたシェゾさんたちは
どこかで倒れていて、その前の記憶がない。

きっと、この人たちも同じなんだ―――なんとなくだけどそう思えた。

「そして、わたくしがルルーですわ。私も、サタン様と同じでここに住まわせてもらってる身ですの」

ルルーさんは椅子から立ち上がり、お行儀よく会釈した。

「うん、それじゃあこっちの自己紹介は終わり…じゃあ、次は君たちの番だね」

エコロがゆっくりと言うと、まずウィッチさんが「はいっ!」と
良い返事。

「オイッス!私の名前はウィッチですの、とりあえずよろしくですわっ」

ちょっと前にボクと初めて会った時のように、人差し指をビシッ!と立てて
お得意のごあいさつ。

「俺の名前はシェゾだ。何かと、よろしく頼む」

顔色一つ変えずにシェゾさんが言う。すると、みんなの目線が僕に集まってきた…。
…あ、次はボクの番なんだったっけ。

「えっと!ぼ、ボクはアルル、ですっ。どうかよろしくお願いしますっ!」

思わずしどろもどろになりながらボクが言うと、エコロさんはにっこりと笑顔を返してくれた。

「うん。ウィッチちゃんに、シェゾに、アルルちゃん…だね!皆、よろしくね…」

そう言ってエコロさんは、まずボクに手を差し伸べる。握手かな?と思ってボクがエコロさんと
手をつないだ、その瞬間―――。

「ぶえぇっ!??げほっ、ごほっ!」

突然襲ってくる吐き気と頭痛とどうしようもない眩暈に、
ボクは思わず椅子から転げ落ちる。な…何が起きたの…!?

「こら、エコロ!また手袋をせずに生身の人間と触れたなっ!」

「あわわ、ご、ごめん…うっかりしてたんだ。その、ホントにごめんってば…」

「謝るならアルルに謝れっ!」

いきなりサタンさんがエコロさんの腕をむんずとつかんで向かい合わせ、怒鳴りつける。
エコロさんは、今にも泣きそうな顔をしてぼくとサタンさんをかわりばんこに見つめてる。

「全く、今度はどこに置いてきたんですの?私が今とってきますから、少し待ってなさい」

ルルーさんが「きっと自分の部屋ね」とか言いながらものすごい速さで階段を駆け上がっていくのを
ボクは、意識が朦朧としてるまま見届けた。

「アルルさん、大丈夫ですの!?回復魔法のヒーリングを掛けましょうか?」

「そうだな、解毒魔法のピュリファを掛けてやろうか?」

ボクの顔を心配そうに覗き込みながらゆっくりと仰向けにしてくれるウィッチさんと、
一歩離れてはいるけれど回復魔法をかけようかといってくれるシェゾさんの顔が、
ぼんやりとだけど浮かんでる。

「ふ、二人とも…ありがとう…でも、大丈夫だよ…多分」

そういうと…あれ、不思議と気持ち悪いのが無くなっていく…
ゆっくりと半身を起こすと、不安定だった意識もだんだんはっきりしてくる。

完全にボクが立ち直ったときには、エコロさんが半泣き状態でルルーさんに手袋をはめてもらってるのと
椅子に落ち着きながらもボクの事を不安げに見るウィッチさんたちが見えた。

「アルル!何とか戻ったみたいだな」

シェゾさんがボクの手を引いて椅子に座るのを手伝ってくれた。

「うん、なんとかね。ありがとう!…それで、エコロさん、今のは一体…」

椅子に座りながらボクがきくと、エコロは悲しそうにうなだれながら答えてくれた。

「実はボクが悪魔って呼ばれてるのは、この能力のせいでもあるんだ。
ボクは、肌に触れてしまった生き物を毒に侵してしまう力が生まれつきあって…

昔は、ボクが歩いた道に生えた草はみんな一瞬で枯れるほどだったから…
少しは制御できてるほうなんだけど、やっぱり素肌で触っちゃうのまではまだ難しくて」

なるほど、とボクはそこで思った。なにしろエコロさんはケープの下のワイシャツも長袖だし
ズボンの下にもばっちり白いタイツを履いてたから暖炉で火を焚いてる部屋の格好にしちゃ
おかしいと思ったんだ。

「だから、みんなに僕たちの存在を公に出さないためにもこの家は幻術で普通の人には見えないようにしてて、
君たちは怪しい人でもなさそうだし、特別に開けてあげた。

でもね、一応万が一の事があった時のためにここには魔法防壁を張ってある。
それにね、ここではどんな鋭利な刃物も僕らには効かないよ。みんな紙みたいにふにゃりと曲がっちゃうんだ」

そこで、シェゾさんが試しに腰に下げてた剣を抜いてテーブルの角に押しつけると―――
本当に、ふにょって音を立ててくにゃりと折れちゃった!驚くシェゾさんに、エコロさんが一声。

「大丈夫、魔法防壁から出たらそれもすぐに戻るよ…。にしてもあるる、君は不思議だね。
君はボクの毒に一旦はかかったけどすぐに立ち直っちゃうなんて!やっぱり、
『ここにいるべき存在』じゃないことが関係してるのかな…」

「は、はぁ…」

ボクはとりあえずうなずいておいた。
でも、悪魔が昔から街の人たちに毒の能力をさらけ出すなんて話は聞いたことないけどなぁ…。

「こうなったのは、さっき本人も言った通り先天性のものでな、そのおかげで今や
週に一度の街の様子を偵察に行くだけでとっ捕まえられる始末だ」

サタンさんが軽いため息をつきながら長い髪をかきあげると、
ルルーさんも困り顔で話した。

「まあエコロの魔法で簡単に抜け出せるけれど…さすがにこうも毎日街人が警戒してると余計厄介ね。
買い物だって夜な夜な町はずれのほうまで行かなきゃならないし」

うーん、そりゃあ確かに不便というかなんて言うか…エコロさんは悪くないとは思うけど。
でもそんな二人を見て、再びエコロさんは慌て始めちゃって。

「うぅ、ごめんね皆…ごめんね…!」

そう言ってエコロさんはケープの端っこをつかんで何度も頭を下げてる。

やっぱりだ。やっぱり、この人は悪魔なんかじゃない…!いや、普通の街の人たちよりも
もっと優しいのかもしれない。この人たちを悪者扱いするなんて、ボクは嫌だ…!

「…エコロさん、サタンさん、ルルーさん!」

気がつけばボクは立ち上がっていた。皆の目が、ボクに集まってることもわかる。
でも、今は恥ずかしがってるときなんかじゃないんだ…!

「ボク、今まで君たちの事を悪者扱いして遠巻きにしてた!
でもそれは違うってわかる…ボクは少なくともそう思いたい。
だって君たちは、とっても優しいじゃないか!

今まで一方的に決めつけてたのは間違いだったんだ。
大切なのは『相手のほうを知ること』なんだよね!

ボク、決めたんだ―――君たちを、いい人だって証明してみせる!
エコロさんの事情も、ルルーさんやサタンさんたちの苦労も、全部!
もう街の人たちに悪者なんて言わせない!!

さっきも言った通り、ボクはこの世界の真実を突き止めたいって思うんだ。
それは、えっと…要するに君たちも関わってるかも知れなくて…

とにかく、君たちは悪くない!もうすぐボクが胸を張って言えるようにするよ。
この世界を全部暴いて君たちを解放する!

だから、今だけはそのまま待ってて…!!」

言い切った。頭の中がすっきりしてる。

言葉の合間にほとんど呼吸を入れてなかったからちょっと息が苦しい。

でも、ボクが今思ったこと、今まで思ってたこと、ボクなりの言葉にできた。
これでどうなっても、それはボクの自由――――――

「…の?」

エコロさんの震える声に、ボクはうつむいてた顔を上げた。

「本当にぼくたちを思ってそう言ってくれてるの?」

「うん、もちろん!」

ボクが大きくうなずくと、エコロさんの大きな目に、また涙がたまる。
でもエコロさんはそれををワイシャツの袖で拭ってから、

「ありがとう…じゃあ、君たちにお願いするよ!」

そう言って、今度は手袋をした手でボクとがっちりと握手をする。
サタンさんとルルーさんも、笑顔でうなずいてくれていた。

ウィッチさんとシェゾさんも、ボクとエコロさんを見上げて心なしか嬉しそう。

「うん、じゃあ…本当に、約束だよっ!」

ボクは、なるべく皆を元気付けるように―――ボク自身とびっきりの笑顔で言ったのであった。



続く



というわけでどうも、ぷよ小説第5話、お待たせしました!

いよいよ悪魔(エコロ)の登場ですね、
愛着あるキャラだけにいろいろオプション付けすぎたのは秘密…(小声)

さて、皆さん今回のお話を読んでなんか、こう…違和感に気付きませんでした?

前々から指摘されてはいますが、キャラクターの性格が微妙に違うんです。
ドラコは妙に保守的ですし、フレンドリーなシェゾさんに大人しいルルー様…

実はこれはわざとなんですけど…おっと、ここからは次回のお楽しみですね!

さて、次回はいよいよ割と真相に近づく回になっています、
あらあらがすっと暖めてたオリキャラも登場するのでお楽しみに!
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ガッターン!ドタドタドタドタッ ガチャッ バンッ ドタドタ パァァァァ!キキィーッバァァァァン!

かわエコたそきたああああああああああ(みなぎり
エコロー!俺だー!!結婚してくれええええええ(抱きつき
あああああああああああ♥♥♥♥♥♥(毒感染

とりあえずこれから物語の発端が明らかになる感じですかね(復活
続き!続きをはやく(ry
Posted by マキJOY【伝説の超健全紳士】 at 2014.06.09 21:53 | 編集
マキJOY様>>

マキJOY様が毒に感染した―大変だ―(棒)
ようやくですようやく、続きは7月あたりになりそうですね。お楽しみに!
Posted by あらあら at 2014.06.09 22:56 | 編集
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