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2014.09.27

ぷよぷよ連載小説・第八話

ぷよぷよ連載小説もいよいよ第八回!

今回も語りが多い感じです、まぁそこは終盤に近づくノリで
気にせずお願いします(こら


第一話【夢の中での、再会】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-95.html

第二話【雨音と、羽音】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-109.html

第三話【異世界からの、来訪者】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-117.html

第四話【音が降る夜の、決意】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-126.html

第五話【邪なる聖者との、約束】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-141.html

第六話【銀色の、支配者】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-149.html

第七話【支配者からの、難問】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-165.html










【硝子瓶の中の、操り人形】










悪魔の家に入ると、そこには驚くべき光景が広がっていた。

禍々しい、紫色の液体が、辺り一面に降りかかっている。
戸棚にも、テーブルに置かれたままの食器にも、床に敷かれたカーペットにも。

「…何なの…これ…?」

「…エコロの『毒』よ」

毒…彼が悪魔として、皆から忌み嫌われていた一つの原因。
元々彼はこの能力のせいで、深い森の奥で日々暴力を受けていた。

でも、それよりもさらに前は…彼女。アリアが支配していた。
でもその更に前はアリアがこの世界の『悪魔』だったのだ。

でも彼女は、はるか昔にこの世界を作っている途中に入った邪魔者を
新たな悪魔として絶望に陥れようとした。

…待って。と、言うことはエコロの前はアリアが悪魔として生きていたんだよね?
アリアが時空干渉をした―――僕らを連れてくる―――その前に。

アリアは、その間本当に悪魔だったの?街の人たちは
平凡に過ごしてたんでしょ。それに彼女はあの時僕らに話してくれてない…

彼女があの時知っていることを僕らに打ち明けてくれたのなら、
そのことも話してくれてもよかったんじゃないか。

まぁさすがについさっき会った彼女の事を信用しきってはいないけれど…

「…アルル?考え事でもしているの?」

ルルーさんに声を掛けられ、ハッとした。
アリアの事について考えてると、いろいろごちゃごちゃになっちゃうなぁ…。

そんなわけで、ボクとルルーさんは毒々しい色をした液体をよけながら階段へと歩く。

それを見て気付いたのが…この毒、相当強力みたいだってこと。
だって液体がかかった部分はボロボロに腐食してるんだもん!

ボクがあの時エコロさん達と一緒にお話をしたあのテーブルも
変色してすっかりボロボロだ。

おまけに効果は木材以外にも表れるみたいで、カーペットは黒く灰のようになってたし
テーブルの上に置かれていた食器も、食器に乗っていたおいしそうな料理も
同じく灰のように黒ずんでいた。

「何で…エコロさんはこんなことを?」

ボクは率直にルルーさんに問う。でもやっぱりルルーさんも首を横に振った。

やっぱり…分からないんだ。長年毒を隠して、人々の目を避け続けてきた彼に
唯一優しく接してくれたルルーさんに、サタンさん。

どうしてその二人にも毒というその力を見せつけたんだろう?

「さぁ…私にも分からないわ。今はとりあえず二階へあがってもらって、
様子を見てはいるんだけど…」

「二階へあがりましょう」と諭すルルーさんにボクは黙ってついていく。

踏むたびにギシ、ギシと軋む階段を恐る恐る登っていく。
きっとこれも…エコロさんによる毒のせいで、腐食しているんだろう。

階段にも散らばる禍々しい色の液体。流れ落ちるその様は…
彼の涙、にも見えた。

二階にたどり着く。

細い道が続く廊下の向かって左側に、小さな絵画が小ぢんまりと飾られている。
左の壁も毒々しい液体が散らばっていたけれど、その絵画だけは濡れていなかった。
描かれていたものは青、緑、淡い水色の花が花瓶に活けられている静物。

右側にはドアが5個設置されていて、それぞれ手作り感あふれる標識が掛けられていた。

手前から『洗面所』、次に『お風呂場』、そして後の三つは
『サタンの部屋』『ルルーの部屋』『エコロの部屋』…

それらももうすっかりボロボロになってしまっている。
大切なものさえも汚してしまうほどの…毒。それがどれだけの力を持ってしまうのか。

ルルーさんとボクは、毒の液をよけつつ進み最奥のエコロさんの部屋がある
ドアの前にたどり着いた。

コン、コン、コンとノックをして、ルルーさんは

「…エコロ?入るわよ…」

といいドアを開ける。鍵は、掛かっていないようだった。

エコロさんの部屋は、どこかこざっぱりとしていて…だけどなぜか
ひどく彼の生活が身にしみて感じられてしまうものだった。

部屋には、小さな窓。どこか古ぼけてしまったそれは今でもこの部屋に
日光の光を取り入れている。かけられたカーテンは見るからに軽そうな水色。

白いベッドのそばにはそこそこな大きさの木製の丸テーブルがあって、
フリル仕立ての白いテーブルクロスが掛けられている。

その上には使い古したランプが一つと、分厚い本が何冊かつみあがっていた。

ボクが目を凝らし、確認できる限りでは…一番上の本の題名は
『古来から伝わる伝承・伝説』。

赤い表紙に金色の字で彫られている。

そしてその白いベッドに…エコロさんはうずくまっていた。
足を手で抱えて、そこに頭をうずめるような形で。

そしてその部屋は、毒による腐食が一切見当たらなかった。

その傍らにいるのは、サタンさん。彼はベッドのふちに腰掛けて
時折エコロさんの頭をなでていた。慰めるように…宥める、ように。

ふと、サタンさんとボクの目が合う。ボクら二人に気付いたようだ。
彼は、切れ長の瞳でボクにほほ笑んだ。

多分、今ここで言うことじゃないんだろうけど…サタンさんははっきり言って美形だ、とボクは思う。
サラサラの長い髪に生える黄金の角…そして整った顔立ち。
きっと女の人なら、多くの人がとりこになってしまうだろう。

…そうだ、ボクらはここの世界に飛ばされてくる前はどんな関係だったんだろう?

ボクは…魔導学校とは別の学校に通っていたのかな?
でもアリアが言っていたっけ…ボクらのために馴染めそうな空間を作ったって。

ということはボクは、ここに来る前も魔導学校にいたのかな?
でも今ここの世界で一緒に暮らしてたアミティたちは。

そう…魔導学校のみんなもそうだし、お城の人たちも…道で出会った人々や
レムレスさん達まで…アリアの、作りものだとすれば。

アリアは、総合的なイメージで僕らの周りの人々を作り上げたって言ってた。
じゃあアミティ達だって、もといた世界では違う性格かもしれないし。

なんだか…こわい。

確かにこの世界の謎を解く…それをするのが今のボクの役目。
でも、この世界を解き明かしたところで、ボクはまた今まで通りに皆と接せるかな?

それに、ボクがこの世界で育んできた記憶を、共有する相手がいなくなってしまったら…

確かに、この世界に飛ばされる前の場所でもいろいろな思い出はあったんだな…
って思ってる。でもそれらの楽しい記憶を塗りつぶしてまで手に入れた新しい記憶。

それは…あくまで支配者の中で踊らされていたボク達の虚偽の記憶だとすれば、
本当に楽しい思い出ではなくなってしまうんじゃないか。

ボクらが真実の日々を思い出した時、この世界で体験した経験や思い出は…
ただの偽物になっちゃうんじゃないのかな。

考えれば、考えるほど、ボクは…
怖くなって、これからどうすればいいのか分からなくなっちゃいそうで。

「こんにちは、アルルちゃん」

話しかけられた。ベッドの上で変わらずうずくまる…エコロさんに。

「ごめんね」

挨拶の次に飛びててきたのは、謝罪の言葉。
なにも返せず立ちすくんでる僕の様子を察してくれたのか、エコロさんは話を続ける。

「ごめんね…アルルちゃん。それにルルーさん、おじさま」

「?…どうかしたか、エコロ」

突然謝られて困惑したのか、サタンは彼の頭をなでていた手を止めた。
するとその手を除けて、エコロは顔を上げた。

泣いて、いた。いや、正確に言うと違うのかもしれない―――彼は、エコロは、
その目からも毒々しい色の液体を流していた。

「!エコロ!どうして…」

「触らないでッッ!」

エコロの手に触れようとしたサタンに、エコロは拒絶の反応を見せる。
心配して近寄るルルーさんにも、エコロは鋭い視線を向けた。

そして、自らの袖で毒をぬぐうようにして――だが、その衣服は毒の効果を受けず
相変わらずエコロの身を包んだまま―――再び顔を上げた。

「…うん…大丈夫。もう平気、もう大丈夫だから」

微笑みを、ボクらに向ける。

「ごめんね、皆…皆、ボクが騙していたんだ。ボクは元々…悪魔じゃない」

ベッドから足をのばし、エコロはベッドに腰掛けるような体勢になった。
エコロは肩にかかる自らの髪をかき上げる。

そして、ボクらはボクがアリアから聞いたこと…それの補完にすぎないかもしれないけれど、
…それでも、確実に重要な話をかくこととなった。

「僕は時空の旅人。どこの空間にも、どの並行世界にも属していない存在。
僕は数々の時空を旅してはその分様々な人と出会ってきた。

でも、時空にかかわる役目を持った人々は…皆存在が忘れられがちになってしまうんだ。
僕らはどこにも居場所がない…あやふやな存在だからね。
皆、心のうちでその存在を認めまいとして…その結果忘れてしまうんだ、僕達を。

そりゃあもちろん、ボクの事を覚えている人だっていてくれたさ…それだって、数えるほどしかいないけど。
そんな生活に、僕らも知らず知らずのうちに寂しくなってたのかもね。

あるとき僕は、とある事件がきっかけで―――話すと長くなるから省略するけど―――
時空の番人、という存在に出会った。

時空を行き来してただ当てもなく旅をする僕とは違って彼は、
別々の時空同士が交ざり合わないため『扉』を隔てて守るのが仕事だった。

でも彼は、元々生身の人間だったみたいで…その仕事に孤独を感じていたみたい。
僕もそうだった。ボクも、独りは寂しいってずっと思ってたからね。

時空にかかわる者同士、僕ら二人は時々話をしたりするようにもなった。

そんなある日、僕は時空の番人に頼まれた。『許されない行為をしようとしている者がいる。
新しい時空を作ろうとしている。その人のしていることを止めに行ってやれ』って。

足止めだけでもいい…そう言われたんだ。それが、今から一ヶ月くらい前。

…アルルちゃん、君ならもうこの時点で『許されない行為をしている者』が誰なのか、
分かる…はずだよ」

「…うん」

エコロの言葉に、ボクはうなずいた。

許されざる者。アリア。
十二個存在する並行世界から少しずつ要素を抜き出し、ボクが今存在する世界…
第十三並行世界を築き上げた張本人。

「…でも、」

ボクは、ふと湧いた疑問をエコロに投げかける。

「確かに、ボクはその人を知ってるよ。でも…彼女はずっと前に…それこそ何千年も前に
この世界を作ったって言っていたよ。それに…」

それを『時空の番人』っていう人に頼まれたのが一ヶ月前なら、
エコロさんが悪魔としてここで生きてきた100年間はどうなるんだろうか。

ボクたちだって、この世界の魔導学校で過ごしてきたのは
一ヶ月という枠にはきっと収まらないくらい…。

「彼女は時間を操作する能力があるみたいだね…

僕達が今ここで過ごしている空間だけ、時間をとても遅らせているようなんだ。
僕らにとっての今日という日の一日は恐らく、他の並行世界にとっては
ほんの3分、いや1分にも満たないだろう…

さて、話を戻すよ。その後僕らはいろいろ下準備をして、彼女の並行世界に乗り込んだのは結局
今から2週間ほど前だった。その時には既に、支配者による時空干渉は始まっていてね、
きっと君達をこの世界に連れて行く作業の途中だったんだろう。

僕は敢えてそこに干渉した。本来なら時空の番人の代理人として彼女を止める権利はあっただろうけど…
それじゃあ駄目だった。そのやり方じゃ君達を救いだせなかったんだ。

彼女の時空干渉を止めようとしたところで、そこで時空干渉が完全に終わるわけじゃない…
なにしろ、彼女は君達を移動させようとしていたからね。その途中で無理やり止めてしまったら、
君たちは時空の境界に閉じ込められることになる。

そこに行ってしまえば、君たちは迷い込んでしまったまま抜け出せない。
時空関係である僕ら以外に干渉できる者がいない以上君たちは既に
人間ではなくなってしまうからね。

そして僕は敢えて彼女の操作する虚像の時空内に入り込んだ。
その結果、ボクは記憶を消すことになった…それからのルルーさんやおじさまと出会うまでの
暴力にまみれた惨めな生活を味わうことになったんだ、まぁそれも重々承知してたけど。

そしてそれからルルーさん達もこの世界に入ってきた。ただ、僕が彼女の時空内に入ったタイミングもあって
ルルーさん達がやってきた時間もその分遅れてしまった。

きっと現実世界では数時間程度の時間。だけど、僕にとっては長い長い100年間。
辛くはあった…何せ僕は所詮記憶をなくしている。悪魔としての記憶しか脳内には残ってないんだから。

でも逃げ出しはしなかったよ…むしろ、逃げ出せなかった。だってこの街は所詮作りもの。
彼女の都合のいいように動いている世界。彼女の人形劇。

そこの住民全てに『悪魔は敵だ』という潜在意識を植え込ませる。
そうして僕はこの世界にとっての敵という役目を演じていた。

そこに現れたのは、アルルちゃん達ってわけ。君たちは支配者による記憶操作を受けてないから
悪魔の事を敵対する人こそいなかったんじゃないかな…多分」

エコロさんはそこで、言葉を濁した。
きっとドラコの事だ。ボクは直感した。

ドラコは――――エコロさんの話によるとアリアによる記憶の書き換えこそ免れたものの、
きっと元々ああいう性格のドラコだ。周りの人たちに流されて悪魔…エコロさんは敵だと思ったんだろう。

「でもルルーさん達の性格が微妙に変わったのは…なんだろうね。

元々ルルーさんは…もっと気が強い。時々今みたいな繊細な表情こそ出すけど
むしろまず考えるより先に手が出るタイプだったね。

おじさまだって元々はもっと…言っちゃえば、みんなに迷惑ばかりだった。
たくさんの魔力を備えてるだけあって、その力でさんざん人を振りまわして…

まぁ、それは僕も同じさ。この世界に引き込まれるより前の、すべての記憶を僕は思いだした…
そうさ、僕だって前こそ一つの世界を壊そうとした一人なんだけど―――」

「…ちょっと待ちなさいよ」

エコロさんの言葉を、いつからか俯いていたルルーさんが遮った。
その拳は、空をつかんだまま震えている。

「あなた、さっきから世界がどうだとか私達が送られてきただとか…
訳のわからないことばかり言ってるんじゃないわよ!

貴方は悪魔じゃない、私達がこの世界にいるべきじゃない、どこかから誰かによって送られてきた!
そんなありえない話をどう信じろっていうの!何から受け止めればいいの!」

ルルーさんは顔を上げ、一気にエコロさんにまくし立てる。
エコロさんはどこか悲しげな顔をして、もう一度髪をかき上げる動作。

ルルーさんが動揺するのも無理はない。だって、今まで何の変哲もなく―――
悪魔の使い魔として迫害される日々こそあったものの―――楽しい毎日を送ってたんだ。
悪魔と、一緒に歩んできたんだ。

なのにいきなり自分達がこことは別の場所から送られてきたとか、
この世界自体が作りものだったなんて話…きっとボクでもなかなか信じないだろう。
―――ボクがこの世界の謎を解き明かすという覚悟をしていなかったなら。

ただ黙って話を聞いているサタンさんは、真剣な顔つきでその話を聞いていた。
パッと見てその表情はさっきと変化は少ないと思ってたけど、きっと
サタンさんも内心ですごく困ってると思う。迷ってると思う。

ボクは、ただただルルーさんの言葉を受け止めるしかなかった。ルルーさんはきっと、
この世界について淡々と語るエコロさんだけじゃない…その話を基から理解するそぶりを見せてる
ボクにも言ってるんだ。だからこそ…だ。

「私達はずっと、その―――支配者とか言うやつに操られていたとでもいうわけ?
冗談じゃないわよ!そんな事知らないわ。私は」

「ルルー」

唸るような声にルルーさんは思わず黙り込んだ。
声の主は…サタンさん。サタンさんはボクとエコロさんの目を交互に見やる。

「そこまでにしてやれ。実を言うと、私も事態は飲み込めない。
が…ここで今奴らの声を遮ってどうなる?

奴らは、おそらく…世界の真実、とやらを知っている。その声を遮ってしまったのなら、
この世界の真実すら私たちもわからぬままだ」

そう言ってサタンさんはベッドからすっくと立ち上がり、ボクらが立つドアの前まで歩みよってくる。
そうして、今ベッドに座っているエコロさんと…ドアの前のボクら三人が見つめ合う形になった。

「エコロ、お前が知っていることがそれで全部であろうがそうでなかろうが…
とりあえず今は、アルルの話を聞かせてくれ。

その様子からみるに、お前も『この世界』が何なのかについて…
アルル、お前も知っているんだろう?」

ボクは、黙ってうなずいた。サタンさんは体の向きは動かさず、視線も動かさないまま
窓から見える空の一点を見つめていた。ただ真剣に。



それからボクらは、エコロさんに連れられて悪魔の家を出た。
見せたいものがあるし、外の空気を吸いながら話したい…ということで。
(ちょっとそれはどうかと思ったんだけど…確かに、暗い室内で話すよりはいいかな)

そして部屋を出て気がついたこと。さっきまで家のあちこちにひっかけられていた
毒の液体が跡形もなく無くなっていたんだ!

エコロさんの話によると、どうやらあれはアリアに記憶を戻されたことによる反動から来たらしい。
そこでボクは気がついた…アリアの空間に入った時に見た、時計の数々。

逆方向に回転していた時計の針は、きっとボクらの記憶を表している。
とまることはない。が、正確な記憶から徐々に遠ざかりながら進んでいたソレは、
支配者―――アリアの手に触れることによって正常な向きに回転しだす。

すなわち、記憶も正常に働きかける。

そうして、長い間偽物の記憶に侵されていた脳が急激に正常に作用してきた分、
きっと様々な記憶が脳内で巡り巡って―――その時悪魔の能力も激しく呼び起され―――
突如襲う毒の能力を制御できずに暴走してしまったのだろう…そう、ボクは考えた。

ルルーさん達の話によると、エコロさんが急にその症状を現したのは11時くらい。

ボクは朝起きて、それからキキーモラさんとメイドさんに新しい衣装を着せてもらって、
それから図書館にいって、ウィッチさんとシェゾさんと合流して。

その後、『この世界の中心』と呼ばれる場所でアリアと出会って、
一旦王城に戻ってエコロさんのいるここへ飛ばしてもらって…。

今日は時計を見る機会がほぼといっていいほどなかった…でも、
まぁ、確かにその位までバタバタしてたのかな。

ちなみに、今は11時半。丁度小腹がすき始める時間だ。
ボクは恥ずかしながら今日の朝ごはんは八時半あたりに食べたので、あまりお腹は空いてこないけど…。

その時はルルーさんは部屋にいたし、サタンさんは庭の掃除をしていたという。
エコロさんは朝から具合が悪かったようで、
朝ごはんを食べた後はずっとリビングのテーブルで突っ伏していたそうだ。

一度暴走した悪魔の力だったけれど、脳が記憶に追いついてからはコントロールの能力を
すさまじい速さで思い出したらしい…ボクらに過去の話をしている間に
自分の中でも整理がつき始めた。そうエコロさんは語った。



そしてボクらは山道に沿って歩いて行って…緩やかな斜面を登って行った。

ボクはそこで、改めてアリアから聞いたことを話す。

この世界は、アリアによって他の世界を繋ぎとめて作られた場所であること。
ボクら6人が魔力源として連れてこられたこと。
そして、そこに干渉してきた時空干渉者も取り込んだこと。
それからそんなボクらが馴染みやすい空間や人物を作り上げたこと…。

数十分ほど、歩いただろうか。この山の頂上についた。

こんもりと茂った木々の間から、広い草原が垣間見える。
その向こうには…海。果てしなく広がっていそうな、青い海。

透き通るような青い空からきらきらと光を降らす太陽が海に反射して眩しい。
そして、その光を受けて葉っぱも透けそこから洩れる日光は木漏れ日となる。

「…どうして、ボクらをここに?」

ボクが聞く。サタンさんとルルーさんも首をかしげていた。
この何の変哲もない…山の頂上の景色に、いったい何があるのだろう。

でもエコロさんはただ黙って深呼吸しただけだった―――この爽やかな空気を思いっきり吸い込んで。
そしていきなり地面に片手をつく。

すると、エコロさんを中心にボクらがいる地点の地面が黄色く光り、盛り上がってきたじゃないか!
それを合図にするかのように、青い空から一匹の鳥の鳴き声。

ふとボクが上を見上げると…空から大きな白い鳥が舞い降りてくるのが見える。
それに気付いた瞬間…ボク、サタンさん、ルルーさん、エコロさんの4人はその大きな鳥に乗っていた。

「皆、コイツの背中をつかんで!」

思わずの出来事にボクはあわてながら、とりあえず白いソレの背中をむんずとつかむ。
それは以外ともふもふしてて、結構つかみやすい。

この鳥、相当大きい…だって、人間4人を載せても楽々そうだもん。
鳥は、ふわりと宙に舞い上がった。そして木々の間をくぐりぬけて、一気に大空に繰り出す。

ボクの前も、横も、全部雲ひとつない青空!そして眼下に広がるのは、森が作りだす深緑の海。
風を切る音が耳元でひゅーひゅーなっていて…うん、気持ちいい!

そして鳥は空中を何度か旋回したかと思うと、
油断していたボクを欺くように…突如急降下!

「うわぁぁぁぁぁぁぁー!」

「う、おおおぉぉっ!?」

「きゃあぁぁぁぁぁーーーーっ!?」

「きゃっほぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

突然の事にボクらは思い思いの叫び声を上げるのが精いっぱいだった…。

これがもっとゆっくり飛んでれば、大海原と草原、そして山の木々を見渡せる
ちょっとした空の旅になったのかもしれないのにぃ…。

(ちなみに、叫び声はいきなりの事でびっくりしてるボク、同じく驚いてるサタンさん、
そして反射神経からか思わずサタンさんにしがみつくルルーさん、この状況を唯一楽しめてる
エコロさんのものである……。)



そんなこんなで景色を見る間もなく、空の旅―――という皮を被った空からの急降下は突然終わった。

初めのアレとは裏腹にゆっくり降ろされたボク達はとりあえずホッとしてため息をつく。

エコロさんによると、この山を降りるにはあの鳥を経由して降りるしかないそう。
普段街の人たちは無論訪れない場所だから…かも知れない。

なんでもあの鳥は気性が激しいようで…エコロさんは前にも何度か一人で
ここに来たことがあるのである程度手慣れていたらしい。

草原は、ボクらの足に心地いいクッションみたいになってくれた。
地面を踏みしめる感触がする。

そして。
そうまでしてエコロさんがボク達に見せたかったもの…それは、ちょうど目の前にあった。

草原の真ん中にたたずむ古びた石碑。
その周りを取り囲むように無造作に散らばる大きな何かの瓦礫。

石碑には何かびっしりと文字が書いてあるみたいだったけど、読めなかった。
かすれていたから、というのもあったけれど…知らない言語で書かれていたからだ。

アリアの話によると、ここ『第十三並行世界』はたった一つの国で
構成されている…なのに、どうして知らない言葉が書かれてるんだろう。

魔導学校で学んだ話だと、この国には特殊な言語を話す民族はいないというし…
じゃあ、これはいったいどこの…?

「皆、着いたよ」

エコロさんは、石碑を見上げる。つられて、ボクらも。
この後、ボクの胸の内でもやもやしていた疑問は解消されることになる。

「ここに眠っているのは…とあるちっぽけな、少女の記憶。
誰にも触れられることができないはずの、夢魔の記憶さ」

そういって、エコロさんは石碑に手を触れた。










続く






…という訳でお待たせしました!連載小説第八話です!
遅いうえに短い!わははははははは!!!…ははは…はは…

今回はアリアさんの説明に若干補足を入れる形になりました。
エコロのセリフくそ長い(頭抱え

今回エコロの話に出てきた時空の番人とは…あれですよ、
名前こそ出さないけどぷよテト遊んだ皆様なら知ってるはず!

(別に知らなくてもいいんですけどねー…)


さてさて、次回はアリアさんの過去編です。
彼女が忘れた遠い過去の記憶。自ら時の流れを遅くしてまで忘れたかったもの。

それらについて掘り下げていこうと思います。

なお、次回は過去編につきアルルの一人称方式で物語は進みません。
なんだこれは!?話間違えた!?と次回混乱しないようお気をつけください(こら
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この記事へのコメント
今日もエコロさんが元気そうでなにより。
これはゲッツエックス先輩が出てくるフラグですねわかります。

次回でアリアさんの秘密が明らかになるのか・・・

きっとヘンタイ要素g((殴
Posted by たかあき at 2014.09.28 15:44 | 編集
たかあきさま>>

エックスさんは残念ながら出ません…存在だけをちらつかせてます(小声
アリアさんは変態ではありません ありません…多分(震え声
Posted by あらあら at 2014.09.28 22:51 | 編集
エコロの液体→聖水
浴びなきゃ飲まなきゃ味わわないときゃっほおおおう!!!!ジュワワワッ!
ぷよテト持ってないからワカンナイナーダレカナー(棒

過去編……まだまだ最終話は先だな(安堵
Posted by マキJOY【伝説の超健全紳士】 at 2014.10.02 19:05 | 編集
マキJOY様>>

うわああああ!紳士がエコロの毒に侵されて溶けたあああああぁぁぁ!!!((この直後お通夜ムード
あと2,3話ありますので、まだまだ物語は続きますよー!
Posted by あらあら at 2014.10.02 23:21 | 編集
え?あれ?これどうなってるの?
エコロ亡くなるの?

「・・・」

エコロカワイソウ(・ω・)

勝手に話を終わらせちゃだめだ。
頭を冷やせ!自分!!
今後のお話楽しみです!!
アリアにはまだ秘密があるのかな…
そしてドラゴ達を見なくなった…
ドラゴタチカワイソウデバンナクテ
ダサセテクダセエ
Posted by りんご at 2014.10.04 01:50 | 編集
りんご様>>

エコロはアリアに奪われていた記憶を取り戻しただけなので無事ですよー、紛らわしくてすみません…。
これは一応ぷよ小説なので死者ゼロで終わると思います(爆)

魔導学校チームは…うん、まぁ…(ネタバレ保護しようとする姿勢
Posted by あらあら at 2014.10.04 23:39 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
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