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2015.05.16

ぷよぷよ連載小説・第一三話

大変お待たせいたしました、ぷよ小説13話です!

物語はいよいよ終盤。

アリアはどうしてエリザをそんなに庇うのか。彼女の本当の気持ちとは。
そして世界の均衛は崩れ、目覚めたエリザはどんな言葉を発するのか。

そしてこの世界の主であるアリアと対峙したアルルは、
あの時アリアに出された問題にどうこたえるのか…。

謎が解き明かされる13話、ぜひお楽しみください!




第一話【夢の中での、再会】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-95.html

第二話【雨音と、羽音】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-109.html

第三話【異世界からの、来訪者】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-117.html

第四話【音が降る夜の、決意】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-126.html

第五話【邪なる聖者との、約束】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-141.html

第六話【銀色の、支配者】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-149.html

第七話【支配者からの、難問】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-165.html

第八話【硝子瓶の中の、操り人形】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-174.html

第九話【彼女が、眠りから醒めるまでは】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-179.html

第十話【宙の中の庭での、決闘】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-192.html

第十一話【歪な道を、駆ける少女】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-196.html

第十二話【虚無の世界で交わした、希望】

http://araaranooniwa.blog.fc2.com/blog-entry-204.html


それでは、追記よりどうぞ!



















むかし むかし、 あるところに ひとりの しょうじょが おりました。

しょうじょは、 まほうを つかうことが できました。
ですが、 あることを きっかけに しょうじょは じぶんの ちからを うらむことに なりました。

しょうじょは、 うらむあまりに ひとつの せかいを ほろぼして、
べつの せかいを つくり、 そのなかに とじこもって しまいます。

ですが、 しょうじょも そのうち ちからつきそうに なってしまいました。
そこに あらわれたのは かのじょの たったひとりの ともだち。

ともだちは しょうじょを ねむらせて、かのじょが つくった そのせかいを
まもることに しました。 ですが そのうち ともだちは こどくに さいなまれるように なりました。

ですが、 そのままでは いけません。 ともだちは、えいえんに まもらなければ いけません。
たとえ じぶんの いのちが つきようとも。 まりょくが かれはてて しまっても。

どんなに つたくても さみしくても くるしくても まもりぬかねば なりません。
いずれ しぜんに このせかいは きえる。 そのときを ただ まちわびながら。

そのともだちは、 ずっと ずっと、 このせかいを まもるのです。
たったひとり、ずっと いっしょに いてくれた かのじょを まちつづけ―――




「もういいの、アリア」

いつの間にかアリアは、顔を手で覆いしゃがみこんで泣いていた。

辺りに広がるのは広い広い広大な宇宙のような空。
足元には色とりどりの花が咲き乱れている。

時折頭をなでるように吹く優しいそよ風が花を散らし、花弁をアリアに吹き付ける。
ここは…とても優しい。美しい。夢魔の世界…?そして今、目の前から声がした。

恐る恐る、手をどける。そこにはもしかしたら、あの子がいるかもしれない。
私の唯一の友達の、あの子が…。

「帰ろう、アリア」

そこにいたのは、亜麻色の髪の魔導師。

彼女は、彼女の敵であるはずの自分に向かって手を差し伸べていた。









【夢から醒める日】









あれからボクは、ドラコと一緒に王城の人たちに会いに行った。

あの時ボクらが通った場所は、空間のつなぎ目…ってところだったみたい。

なんでも、アリアが逃げ込んだところは地下の通路とは全く別の空間にあるらしくって。
王様がその空間と通路をつないで通れるようにしたらしい。

さっきボクらが通ったのが、その通り道…ということだ。

そしてボクらは、そこで待ってくれていた王様たちに出会った。
(もちろん、エコロ達も一緒にいたよ)

ボクらがたどり着いた場所は、アリアを閉じ込めた結界のギリギリ外側。
一歩奥の空間に踏み出せばもうそこはアリアの空間なわけで。

ボクはその場所で、王様にウィッチさん、シェゾさん、エコロにルルーさんやサタンさんとお別れをした。
…もちろん、ドラコとも。

まぁその中でも、ラグナス王以外は元の世界で会えるんだけど。
なんとなく…ここの世界ではお別れになっちゃうわけだから、何となくやっておきたかったんだ。

そしたら別れ際に、王様が青いキレイな指輪をボクにくれた。
なんでも、魔力をより強く凝縮した指輪だそうで。

万が一の事があればこの指輪をつけて呪文を唱えろ…って言われた。
王様の魔力を込めた指輪だから、アリアを怯ませることくらいならできるだろうって。

でも…なんだかそれも怖くなっちゃって、
今はただスカートの右ポケットの中に入れてしまった。


そしてボクは今、アリアの空間にいる。

彼女に向かって、手を差し伸べている―――――

ボクがこの空間に来た時、アリアはうずくまって泣いていた。
広がる空の下、輝く花畑のそのうえで、小さな人形が泣いてたんだ。

うずくまっているその間に見える琥珀色の瞳から、今も
まばゆいばかりの大粒の涙がボロボロとあふれてる。

…やっぱり、寂しかったんだよね。

「…アリア、一緒に帰ろう」

アリアは顔を上げない。もう一度強く言う。

「アリア、帰ろう!」

すると、アリアは恐る恐るというように、色白の顔を覆っていた両手を離した。
ボクと目が合うと、瞳が丸くなり、より一層キラキラと瞬く。

「!…どうして、あなたが…」

「…アリア」

ボクの手を払いのけようとするアリアの右手を、ボクは強く握った。

「さっきはごめんね」

「…っ、どうして…」

「ボク、君の気持ちを考えてあげられてなかった」

そう、ボクはさっき「こんな世界を守るのなんて嫌になっちゃったでしょ」って
アリアに言っちゃったんだ。だから、アリアは怒った。

最初はどうしてだか分らなかったけど、今なら解る。

「アリア、君は大切なことの約束を守りたかっただけなんだよね。
確かに、悲しい時も寂しい時も、苦しい時だってあったはず。でも君は挫けなかった。

元々失敗作だった君をずっと大切にしてくれたエリザとの約束。
それを絶対に君は守りたかった。

でもやっぱり、一人は寂しい。ちょっとそう思ってからは遅かった。
ここの主の『こんな場所から解放されたい』っていう思いがこの世界に小さな隙を見せた」

「違う!私はそんな思いでこの場所を…」

「手放したりしない、でしょ?わかってる」

身を乗り出したアリアの唇を、ボクはそっと右腕の人差し指で抑える。
アリアは目を伏せ、ボクの視線と合わせまいとした。

でもボクは構わない。ボクの言いたい事を言えば、きっと彼女は顔をあげてくれる。
…そう信じてるから。

「君は『もう一度彼女に、逢いたい』って、そう思ってしまったはず。
もう一度、君にとって本当に大切な存在のエリザにね。

そうしてできた世界の隙を突いて、エコロが介入してきた。
今まで完璧な均衡を保っていたその世界が壊れてしまっていたのは、そこからだったんだよ。

そこへ、ボクらもつれてこられた。時空の旅人が介入してきた事によって動揺を見せた
この世界に―――アリアに、ボクが気づいてしまったんだ」

それがあの夢だったんだ。すべての始まりである、あの日に見た夢。

真っ暗な世界を走るボク―――これはきっと、この偽物の世界から逃げ出そうとするボク。

ボクを捕らえるようにからみついてきた『何か』―――それは、多分真実を悟られまいとするアリア。

そしてその先で待ってたのは―――見知らぬ5人の姿。
でも今なら知ってるんだ。彼らは僕と一緒にここに連れてこられた人たち。

シェゾさんにルルーさん、ウィッチさんにサタンさん。それにドラコ。

そして、銀髪で、黒いマントを羽織った人―――シェゾさんはこう言ったんだ。
『お前の名前は――――』

「…ボクの名前は、アルル」

今、ボクはここにいる。たった一人の寂しがりのお人形が守っていた、この世界に。
ちゃんと自分の意志を持って立っている。そして、君の、君の名前は―――

「君は、エリザだ」

ボクが精いっぱいの笑顔で言うと、俯いていたエリザはハッと目を見開き、振り返る。

すると、ボクとアリアがいる花畑からずっと離れた、ガラス張りの大広間。
カーテンの掛けられたスクリーンを背後に、

少女が立っていた。


腰まで届く長い金髪に、キラキラと輝く美しい空色の瞳。
胸元にピンクのバラ飾りをつけて、裾のひらひらした真っ白なワンピースを着ている。

「…エリザ…」

アリアが、少女の方に向かって立ち上がり恐る恐るというように一歩踏み出した。
一歩、そしてもう一歩。アリアが足元の花を踏みしめるたびに、花は散り、花びらが宙を舞う。

「エリザなの…?」

その足は徐々に駆け足になっていき、ついには全速力の走りで
アリアはエリザの下に駆けていく。

エリザと呼ばれたその少女は、ただ微笑んでその場に立っていた。
でもアリアの顔をふと見ると、目を閉じて、片手を前に出した。

「ッ…エリザっ…!!!」

そのエリザの腕の中に、アリアは思いっきり飛び込んだ。
二人は、何千年もの時を―――他の世界から見ればほんの数日程度の時間だろうけど―――
ずっと離れ離れだった。そして今日、ようやく再会の時が来たのだ。

長い長い時を経て、ようやく人形は主の元に。
眠り姫は友達にたった一人の友達に逢えたのである。

二人はひしと抱き合った。アリアはぽろぽろと大粒の涙をこぼし、
そんなアリアの髪をエリザはなでるように包み込んだ。

「…ずっとずっと待たせてたよね。ずっと独りでつらかったよね。ごめんね、アリア」

「ううん。いいの…いいの。ただちょっぴり寂しかっただけ、だから。いいの…」

「………あのっ」

二人の間の会話に、ボクは割って入った(本当に申し訳ないけれど…)。
ただ一つ、気になる事があったんだ。

「エリザさん、これからどうするんですか…?」

エリザは目を伏せた。空色の瞳が陰りを見せるのを見て、
アリアは洋服の袖でごしごしと涙を拭いて泣きやんだ。

「…それは…」

エリザが、アリアからそっと身を離す。

「わたし達は、これから時空の番人の元に行かなくちゃならないの」

「…!」

事を理解して、アリアは目を丸くした。…ボクは、驚かなかった。

こうなることは薄々分かっていたんだ。
エコロもいってたんだよ。『この時空の理に逆らったものを止めなくちゃいけない』って。

そして結局のところ、時空の叛逆者の末路は―――裁かれる、だけ。

それもそうだ。かつて希望をもたらせる存在であるはずだった夢魔が周りの仲間をすべて焼き殺し、
許されざる新しい時空を作ってしまったんだから。

でも、

でもさ。

それはエリザ自身はとても良くわかってる。
自分が罪を犯して、その罰を受けるのは当然なんだって思ってる。

じゃあアリアはどうなるの?彼女はすっと、アリアが苦しんでいくのを見てきた。
だから少しでも彼女の力になれたらと、彼女の後押しだってした。

その後も、彼女の世界を一生懸命護ろうとした。
わざわざ彼女を眠らせてまで、耐え抜いてきたのに。

なのに。

彼女は知らなかった。時空の理を。
そして、それに逆らったらどうなるのかを。

彼女はアリアを眠らせる前こそは、たくさんの時空を旅してきた。
だけど、そこに存在していたのはきちんと規律を保っていた時空。

それらは規律を守っていたからこそ存在出来ていた。
規律を守らない時空は、おそらく立ちどころに消えてしまっている。

でもアリアは、それを知らずに『時空はいくらあってもいい』と思ってしまったんだろう。
恐らく、それに近い考えを持っていたんだ。

「…っ、そんなの嫌、絶対に嫌よ!」

アリアはエリザから身を離し、差し伸べられる手も振りほどいた。
エリザの横を突っ切って駆けだしたアリアは、そのまま遠くへ走って行ってしまう。

遠い花畑の真ん中で、アリアがひざから崩れ落ちるのが見えた。
その姿と彼女の悲痛な訴えは、自然とボクらにも聞こえてきた。

「そんな…せっかく逢えたのに。
エリザが捕まってしまうのなら―――罰を受けるのなら、私はいったい何の為にここまできたの?

あの子は何も悪くない!…なのに、どうしてあの子が裁かれなくちゃいけないのよ…。

それなら、それなら…っ…、私に全部の罪を押しつけてよ!
エリザが助かるならそれでいいの。だから…全部私に…っ!」

そういうアリアの方は激しく震え、声もどんどんか細くなり、
最後には振り絞るような声になってしまっていた。

でもそんな彼女の言葉も、この静かな空間の中でははっきりと聞こえてしまう。

「エリザは…ただ、一人が嫌だっただけなの…。
だから、だから、あの子が罪をかぶる必要なんてなくて…ッ、

愚かだったのは、そんな感情もなくただ勝手に彼女を眠らせて、
自分の身勝手な感情でこの世界を保持していた、私だけだったと言うのに――――」

「ううん、そんなことないの」

エリザが、アリアを後ろから再び優しく抱きしめた。

いつからか、花畑に咲く花という花から無数のガラスが舞っていた。
細かい細かいガラスはこの空間に輝く星の光を反射して、キラキラと瞬いている。

…ボクには眩しすぎた。

「わたしのためにずっとずっと頑張ってくれてたんだもの。
でもね、アリア。確かにあなたは悪い事をしたの。いくら気付かなかったって…

それは許されない事なの、時空の理に抗うということは。
そして、わたしもあなたとおんなじ罪を犯したの。だからこそ、裁かれなくちゃならない。

ずっとその事は隠していてごめんね。それどころか、アリアにこんなに苦しい思いをさせて…
その事も謝りたいの。きっとただ謝るだけでは済まされないっていうのはわかってる。

でも…これから時空の番人たちに裁かれて、二人がバラバラに引き裂かれるかもしれなくて。
その前に謝らないと…って思っちゃって」

「…っ、どうして、どうしてあなたはそこまで…」

そこまで自分を追い詰めるの。

多分、アリアはそう言いたかったんだと思う。

いつだってどこでだって、いつも罪をかぶり、
どんなときにも罪を自らかぶろうとするのはエリザだった。

そんなエリザをアリアはずっと見ていた。だからこそ、彼女の役に立ってあげたかった。
大切な、たった一人の友達として。

だからこそ多分、アリアは悔しいんだ。
友達を守り切れなかったことが何よりも悔しかった。

「…アリア、よく聞いて」

エリザが、アリアの髪を優しくなでた。
やわらかいそよ風が吹き、ガラスと花びらを宙にわっと舞わせてる。

「…わたしはね、後悔なんてしていないの。

悪い事をした。けどそれは自分のせい。
ただ感情に任せて罪を犯したのは全部わたしなんだから。

でもね、それで気付いたの―――ちょっとおかしい話だけど―――、
夢魔の世界を壊すのを思いとどまったわたしを、あなたは後押ししてくれて。

そこで私は覚悟ができた。この世界を壊すって。
そして、あなたという存在に、なんとなく気付いてた気がしたの。

その結果、わたしの仲間たちはみんな死んじゃった。
だけどその代わりに、あなたという無二の友達がいる事に気づけたから。

わたしは―――わたしは、そう。
後悔なんて今さらしたら、私の覚悟とあなたの気持ちを踏みにじることになりそうで。

それは嫌なの。だから、
一緒に行こう…アリア。あなたは私のたった一人の大切な親友だもの。

時空の理に裁かれて、わたしたちの間が引き裂かれようとも…
なんだか、今なら怖くないかもしれない」

エリザは、アリアの手を引いてすっくと立ち上がった。
アリアもつられて立ち上がると、彼女の両手をエリザのそれぞれの手が優しく包み込む。

「―――だって、あなたの本当の気持ちがわかったから!」

目の前を一筋の閃光が走った。

風はいよいよ強くなり、見る見るうちに突風へと変わる。
向かい風が真正面から吹き付けてきて、花びらがボクの体や顔に張り付いてきた。

…でもボクは、今それを払うのを忘れて、ただただ、目の前の光景に見とれていた。

金髪の少女と銀髪の少女が互いに手を取り合っている。
金髪の少女の背には大きな翼が生え、羽ばたくたびに純白の羽を舞い落とす。

銀髪の少女の背にも小さな小さな羽が生えて、一生懸命羽ばたこうとしているのが見えた。
辺りにアリアの声が響き渡る。

『そうだった…。私、やっと思い出した。

私にとって、アリアは護るべき存在もというよりも、ただ一人の親友だったのよね…!
それを忘れて私は…過去に固執してばかりだった。

過去のあなたにとらわれて、昔の情景ばかりいつも思い起こして。

でも、今は違うわ。私はね…。
あなたにもう一度会えて本当に嬉しいの。

エリザ、私はあなたの事を…友人として、本当に愛してる』

二つの羽の純白があたりのガラスの破片に反射して、辺りを真っ白に染める。
その反射によって起きる光が粒子になって、あたりをまばゆく照らしていた。

光り輝くその光景がまぶしくって、思わずボクはちょっと目を細める。
でもそこで、アリアがボクを見ているのに気がついた。

「…あっ」

エリザとアリアの再会に気を取られてすっかり忘れてたのをふと思い出した。
ボクは、アリアに…問題の答えを出してあげなくちゃいけなかったんだ!

「おーーーい!アリアーーーーッ!!」

ボクがアリアに向かって振りちぎれんばかりに両腕を振ると、
アリアはボクへほほ笑んでくれた。

それも今までのような、怪しげな笑みじゃない。
…心の底から希望に満ちあふれた笑顔だった。

「この前アリアが出してくれた問題の答えーーー!!ボク、わかったよーーー!!!!」

きっと、今の彼女も十分わかってることだと思うけど。

だってあんなに笑顔なんだもの。今の彼女は、もう答えを知っている。
でもボクは、なんとなく言わなきゃいけない気がした。

かつての彼女が求めていたものを。ボクの口で。

『儚く、今に崩れ落ちそうなほどもろいのに、いざとなると鉛のように重苦しくなるもの…
そして、ふとした瞬間に虹色に輝けるもの』

それは…その答えは…。

ボクは、深く深呼吸をしてから、思いっきり叫んだ。

「…『未来』だよーーーッッ!!!!!!」

かつて、独りぼっちで過去の使命に駆られていたアリアが、心の奥で求めていたもの。
それが、『未来』。

確かに、今アリアたちを待ち受ける未来は重い物になるだろう。
重罪を犯した罪人の未来は…希望とはほど遠い。

でも、今彼女はひとりじゃない。大切な友達と一緒にいる。

…もしかしたら、彼女は自分の未来を心の内で察してたのかもしれない。
だからこそ、最後に『虹色に輝けるもの』ってつけたした。

自分が求めていた『未来』を見たい。

自分を捕らえていた『過去』を捨てて。

その自分の感情を確認する為にこの問題を出したんじゃないかって、ボクは思うんだ。


そんなボクに向かって、アリアとエリザは微笑んでくれた。
…彼女たちに対してボクは、うまく笑えたかな?

ふぶく花びら。ガラス張りの大広間を壊して進むたった二人の少女。
少女たちはやがて裁かれる定めにあろうとも、互いを信じあい罪をまっとうに受け取ろうとしてる。

長い長い夢は終わった。二人は、それぞれの眠りから無事に醒めることができた。
アリアは『過去への追憶』から。エリザは『文字通りの永い眠り』から。

でも…ボクは夢から醒めることができたのかなって、ちょっと不安になる。
きっとまだボクは目覚めてない。だって、まだこの世界にいるから。

元の世界に戻らなくっちゃ。そうしなきゃボクが夢から醒めたことにはならないんだ…多分。

でもきっと朝は来る。眠りはいつか醒める。
終わらない夢なんて、ないんだ。


あの時ボクが見た、不思議な不思議な夢。それは、アリアがボクに見せた
ほんのちょっとの心の揺らぎ。そして、ボクが外の世界に出るためのヒント。

『この世界の主として、この世界の真実を悟られまいとするアリア』の存在を振り払って、
ボクは進んだ。そんなボクに光、が降り注いだ。そして現れた五人の姿。

彼らはボクの名前を呼んだ。その五人こそ、ボクとこれから一緒に元の世界へ帰る人々。

そんな彼らを、ボクを、光は包んだ。全部全部、飲み込んでしまった。
全部光にかき消えて―――そしてボクは、夢から目を醒ました。

そうか、そうか。

あの夢は、この世界の終わりを映す夢だったんだね。

今日この世界と、この世界の主に起こる事をはっきりと移していた―――。


アリアは今、エリザに救済された。あたりを、眩い希望の光が包んでる。
光はだんだん大きくなり、景色を飲み込んでいく。

あの夢とおんなじ、光が降る光景。

「…あなた……の、名前…は………アルル」

アリアの声が、途切れ途切れ聞こえる。
目の前にいた二人の少女の姿は、光にのまれてかき消えそうになっていた。

ボクは今度は目を瞑らず、まっすぐにアリアの方を見上げた。
でも彼女たちはとうとう溢れる光にのまれ、ついにボク自身の目の前も見えなくなった。


ようやく、ボクの目醒めだ。


「…おはよう!」










続く








さてさて、ぷよ小説13話、お楽しみいただけたでしょうか?

今回は主に会話シーンがメインになってしまいましたが、
エリザがどうしてそこまでエリザを擁護して離さないのか。エリザの本当の気持ちは何か。

そこを基軸に書かせていただきました。

結局のところ、アリアは友人のためとは名ばかりで
実は自分に与えられた過去の使命と戦っていただけだったんです。

エリザは、その事を罪の意識として記憶していた。
そして、彼女からようやく本音を聞いて『時空の番人』に裁かれる覚悟を持ったのです。


お互いの気持ちをわかり合い、彼女たちは時空の果てへ去っていきました。
そして視界は光に包まれ、その瞬間、アルルもまた元の世界へ帰ります。

そしてみんな、それぞれの夢や眠りから醒めることができたのです。


…と、あとがきらしいあとがきは次回にまわしておいて。

次回の14話は、その後のアルルたちの様子を描く所謂『エピローグ』を予定しております。
今月中か、少なくとも6月上旬には更新予定です、お楽しみに!
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この記事へのコメント
今更ですがこの小説全て、読ませていただきましたっ!そして、凄く面白いです。頑張ってください。
Posted by ルラン at 2015.05.28 23:24 | 編集
ルランさん>>

ご訪問とご挨拶、ありがとうございます。

小説も読んでくださったのですね、
感想まで…嬉しいです!

これからも精進いたします!
Posted by あらあら at 2015.06.07 23:39 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
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